道具を揃えたらいよいよ絵を描く楽しみの時間ですね。
どんな描き方をするのかな?どんな描き方があるのかな?と思いますよね。
ここでは、アクリル絵の具で描くときの代表的な技法について、その種類と基本的な描き方について紹介します。
技法の種類
トールペイントには色々な技法がありますが、代表的なものをいくつかあげるとすれば、次の7つかなと思います。
ストローク
ストロークとは一筆書きです。平筆や丸筆を使って描きます。
ストロークにはカンマストローク、Cストローク、Sストロークがあります。
ストロークは、ボーダー模様やスクロール模様など様々な装飾をするのに欠かせないものです。
丸筆のストローク
筆にたっぷり絵の具を取り、静かに筆をおろし、ストロークの頭部分が尖らず丸くなってからすーっと筆を持ち上げるようにして抜きます。書道で書く「う」や「す」の払うところと同じ感じです。
ストロークの頭の部分がとがったり、筆をべったり置いたり、筆全体をストロークのラインに沿って回したりすると失敗例(写真中央)のような形になってしまいます。
カンマストロークだけでも可愛い作品が作れますよ。(写真右)
一筆書きの作品は、ヨーロッパのアッセンデルフトやヒンデローペンなどのフォークアートで多く使われています。
平筆のストローク
平筆でのストロークは、筆先を45°くらいに置いてから、筆を回さず、置いた角度のままスーッと抜いて描きます。
CストロークとSストロークを使って平筆のストロークだけでも作品作りが楽しめます。(写真中央・右)
サイドロード/ダブルロード/バック・トゥ・バック
平筆で使う技法にサイドロード/ダブルロード/バック・トゥ・バックの3通りの技法(描き方)があります。トールペイントの描き方といえばこれ!というほど特徴的な筆の使い方です。とても合理的な描き方でこれがうまくなると作品の出来も大きくアップします。
平筆の筆先を整えて、半分だけ絵の具をつけてパレットの上でなじませて描く技法を「サイドロード」と言います。この半分だけ絵の具をつけて、筆の中でグラデーションを作るやり方は、影を入れたりハイライトを入れたりする時に、必ず使うものでトールペイント独特の技法です。(写真左上)
平筆に2色の絵の具を半分づつ付けて2色のグラデーションを作って描く技法を「ダブルロード」と言います。(写真左下)
「サイドロード」を背中合わせに描く技法を「バック・トゥ・バック」と言います。(写真右)リボンなど中心部分が光っているものを表現する時に使います。
スポンジング
スポンジングは、言葉の通り、スポンジを使って叩くことを言います。
スポンジは海綿やイエロースポンジなどを使います。
1色をスポンジにとって叩き、スポンジは洗わず2色目をさらに取って上からたたき、3色目4色目と同様に重ねて叩いていきます。
右の写真はスポンジングで作品のフレーム(枠)を仕上げたものです。まず暗いグリーンをたたいて、上から明るいグリーンを叩いて仕上げたものです。
ウォッシュとペン&インク技法
ウォッシュとは、絵の具を水で薄めた状態のことを言います。
薄めた絵の具を筆に付け、キッチンペーパーや古タオルで水分だけを少し取ってから描きます。
この技法は、ペン&インク技法のベース塗りにも使います。ウォッシュで塗った後、輪郭をペンやインクで書く技法です。
右の写真のように、平筆のダブルロードで描いた薔薇とペン&インク技法で描いた薔薇を組み合わせて作品作りもできます。
アンティーキング
アンティーキングは、アンティーク風になるように作品の上からアンティーク調の色を乗せることを言います。
右の写真のように、フレームの模様に入れたちょっと暗く汚れたようになっている部分がアンティーキングしたものです。
古びた感じに仕上げる技法です。
クラックル
クラックルとはひびわれ効果のことを言います。
クラックル剤を塗って、上からアクリル絵の具をのせてひびが入るものと、クラックル剤そのものがひび割れるものがあります。
クラックルを入れた上に絵を描く場合もあります。
アンティークな雰囲気を作るのに用いることが多い技法です。
クラックルをした上にアンティーキングをして更に古っぽさを表現することもあります。
スパッタリング
スパッタリングは、絵の具を弾き飛ばして細かな点々をちらして、雪や星があるようにみせたりするものです。 スパッタとも言います。
スパッタリングは、筆や古歯ブラシなどに絵の具をつけて、弾いてつくります。
右の写真でサンタの下、木々の上に細かな点々が見えますが、これがスパッタリングをしたものです。
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