ステンシルとシルクスクリーン、似ているようで違うこれらの違いわかりますか?
トールペイントの世界にも、これらの便利なものがよく使われるようになり、ますます手軽に素敵な作品を作ることができるようになりました。
その他のハンドメイドの世界でも、色んな所でこれらを上手に使うと、もっと楽しくもっと楽に作品作りが広がるでしょう。
ここではトールペイントで使うステンシルとシルクスクリーンの様々な違いをわかりやすくまとめてみます。作品作りにぜひお役立てください。
ステンシルについて
リメイクが身近になってきて、錆びた缶などにかっこいいロゴやイラストを目にするようになりました。これらは、ほぼステンシルの型を使って色をのせてあります。ステンシルシートは何度も使えるのでとても便利なものですね。
ステンシルとは?
ステンシルとは、金属や防水性の素材に文字や絵や模様を切り抜いて、上から絵の具やインキや染料などを刷り込んだりスプレーをかけたりして、切り抜いた部分に色を付ける技法を言います。
ステンシルの種類
ステンシルは、写真のようなステンシルシートを一般的に使います。
一つ一つのデザインがやや大きめのものが多いです。
ロゴやはっきりした文字など、よく見ると身近によく使われていることに気がつくと思います。

もう一つのステンシルは、切り抜いた型の厚みを利用して、模様を盛り上がらせる使い方です。
写真を見ておわかりのとおり、ステンシルの型がとても細かいですよね。
普通のステンシルに比べると切り抜き部分が細いのでブラシで色を付けるのもちょっと大変かと思われます。スプレー塗料ではいけそうですが。
同じステンシルでも、ちょっとタイプの違うものがあることがおわかりでしょうか?

タイプが違うからこそ、この2種のステンシルのやり方を覚えておくと、バリエーションが増えて作品作りにこと役立つこと間違いなしです。
ステンシルで使う道具
同じステンシルですが、色を付けるだけの時と盛り上がりをつけるときでは使う道具が少し違います。絵具はどちらともアクリル絵の具を使用します。
色をのせるステンシルで使うもの
ステンシルをする時に使う筆は、ステンシルブラシとステンシルスポンジのどちらかを使うことがほとんどです。
グラデーションになるように色をのせる時とカサカサした感じにのせたい時、べったりくっきり色を付ける時では使う筆も変えたほうベターーです。
また、布に刷り込みたい時と木や缶、テラコッタ、ブロックなど、ステンシルをする素材によって使う筆は変えたほうが上手くいきます。
スポンジブラシは、強く抑えるとしっかり色が付きますが、軽くポンポンとすると柔らかい色になります。

ステンシルブラシは、シカや豚の毛でできていることが多く固く荒い感じを出す時に適しています。
布に刷り込む時は刷り込み刷毛がいいと思います。
ステンシルでどう表現したいのかによって、使うものを選ぶことが大事です。
ステンシルの作品
レンガをステンシルで入れた作品です。
レンガの色合いを微妙に変えたかったので、スポンジのステンシルブラシを使って叩きました。
色が濃くなったり薄くなったり、レンガの凸凹感を出したいという思いがあったので、輪郭ははっきりさせ、レンガのザラザラした質感にすることを考えてステンシルしました。
はっきり均一に滑らかな仕上がりにステンシルする時は、スプレー塗料を使うときれいな模様ができます。

盛り上がった模様にするステンシルで使うもの
盛り上がった模様を作るには、絵の具だけでは作れません。
この時は、モデリング剤を使用します。モデリング剤で使いやすいのはチューブの「デコモ」です。これは絵の具を混ぜて使えること(乾燥後色を塗ることもできる)、粒子が細かいので細かいステンシルシートにもしっかり入ります。
リキテックスの「ライトモデリングペースト」も軽くて柔らかいので使いやすいです。
これらをステンシルシートに塗る時使うのがペイントナイフです。フラットなナイフより、先が折れている方が塗りやすいかと思います。



盛り上がった模様のステンシルの作品
モデリング材を使って、作品のフレームにステンシルをした作品です。
フレームの色を紫にしたので、モデリング剤は色を加えずにそのまま使いました。
絵の具だけ使用した時より立体的模様ができて、フレーム飾りが作品をより引き立ててくれていると思います。

シルクスクリーン
ステンシルと同じく、デザインされたシートや型を使って色をのせるものにシルクスクリーンがあります。
ステンシルシートがしっかり厚みがあるのに比べると、シルクスクリーンシートはとても薄くてペラペラです。
デザインはステンシルシートがロゴなどはっきりしたデザインが多いのに対し、より繊細なレース模様などのデザインまでシルクスクリーンにはあります。
シルクスクリーンとは?
インクが通るところと通らないところを作って版画の版を作り、製版することを言います。
部活やイベントでおそろいTシャツなど、デザインしたものを作ったことがある方は「ああ・・」と思われるかと思いますが、これも同じくシルクスクリーンで印刷されたものです。
ステンシルシートに比べると、シルクスクリーンシートはとても薄く、デザインがとても細かい物が多いです。
「トールペイント シルクスクリーン」と検索するとたくさんのシルクスクリーンがご覧になれます。

シルクスクリーンで使う道具
アクリル絵の具を使って、シルクスクリーンを使う時は、「シルクスクリーンメディウム」と「スキージー」という絵の具を刷り込むヘラのようなものが必須です。
*写真は銀座ソレイユさんで発売されているものです


とても小さな穴に絵の具を刷り込むわけですから、水分の多い絵の具だけでは滲んでしまいます。
シルクスクリーンの使い方
「シルクスクリーン(が綺麗にできる)メディウム」と絵の具を混ぜて使用します。
白い色は柔らかいので絵具を少し控えめにした方が上手くいきます。反対に暗い黒色などは絵具が固まりやすいので、絵具によってシルクスクリーンメディウムの量を調整することが大事です。
メディウムのぼそぼそした感じがなくなるまでペイントナイフでしっかり練ることが重要なポイントです。滑らかなクリーム状になって角が少し立つくらいの状態が良いと思います。
シルクスクリーンをしたいところに置いたら、一方だけマスキングテープで留めておきます。例えば上を留めたら下側にはテープは止めないようにしてください。
スキージーと言う弾力性のあるヘラを使って、マスキングで留めた方からスタートして色をのせていきます。例えば上をマスキングテープで留めたら、クリーム状に練ったものは上から下に向かって刷ります。力を入れずに置いていくような感じで刷ります。心配になったらそっと少しだけシートをはがして覗いてみて確認することもできます。くれぐれもシートを全部はがさないように気を付けてくださいね。
最近は、メディウムと絵具を混ぜた「シルクペイント」というものも銀座ソレイユさんから発売されています。白、黒、ベージュ、茶、グレー、ゴールド、シルバーなどあります。これはふたを開けたらすぐにスキージーで刷ることができるものです。メディウムと混ぜて使うのが難しいときは、こういうものをすようするものいいかと思います。
シルクスクリーンを使った作品
トレイの中心にある模様と斜めに入れたレースの模様は、シルクスクリーンを使ってます。
そのシルクスクリーンの上に、クリスマスローズとムスカリを描いています。
花だけを描いた作品より、ずっと華やかにになります。以前はレースも一筆一筆描いていたのですが、シルクスクリーンのおかげで楽に表現できるようになりました。

まとめ
ステンシルもシルクスクリーンもハンドメイドをより楽に、簡単に美しく作品を作るのを助けてくれます。
使い方は全く違うので、しっかり理解して使わないといけませんが、どれもそう難しいものではありません。
シルクスクリーンシートをステンシル用スポンジで叩いたり、ナイフでモデリング剤をのせたりしないように、よく理解して取り組んでくださいね。
素敵な型(シート)をご自身の好みに合わせて、表現したいものに合わせて使ってみてはいかがでしょうか?
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