トールペイントを知ろう:道具《ニスとステイン》

お知らせ

ステイン剤は下地剤に入るものかもしれませんが、種類も多くどれを選んでいいのかわからなくなりますね。

ニスも同様に種類が多く選ぶときにどれを選んでいいのか困りますよね。どんな種類があってどんな時に使うのか?

作品作りに欠かせないこれらについて見てみましょう。

ステイン

ステインとは木製素材を木目出しにするものです。

すでに色が付いた状態で《ステイン剤》として販売されているものと、メディウムを使って好みの色のステインを自分で作るやり方があります。

ステイン剤の種類と特徴

ここで記すステイン剤には、各メーカーとも数種類の色が用意されているものです。同じメーカー同士のステイン剤は混色できるものもあります。

メーカー商品名特徴
ジョソーニャウッドステイン
ジェル
ジェル状なのでそのままスポンジや布で伸ばすように
塗ることができる。ァンティーク技法や
フォーフィニッシュにも適している。
ウッドステイン
グレーズ
高品質の顔料を使ったステイン剤。透明感のある光沢が
得られる。
デコアートジェルステイン水性ステインなので水で薄めることができる。
ステイン同士を混ぜて使うこともできる。
サンケイリキッドウッド
ステイン
リキッドタイプで乾きが早く使いやすい。ジェルより濃度が
薄いため少しづつ着色できる。泡を立てないように混ぜる。
アンティーク
マスター
油性のステイン剤。軽く布などで塗るとアンティーク調の
仕上がりになる。

ステインを好みの色にする時に使うメディウム

自分お好みの色で木目出しをする時は以下のメディウムを使うことをお勧めします。

メーカーによって混色の割合が違ったりしますが、あくまで目安ですので、試し塗りをして濃度を確かめてから本番にとりかかる方がいいと思います。

メーカー商品名特徴
デルタジェルステイン
メディウム
アクリル絵の具1:メディウム1で好みのステイン剤が
作れる。
デコアートジェルステイン
クリアジェル
アクリル絵の具6:メディウム4で好みのステイン剤が
作れる。
ステイニングアンティー
キングメディウム
好みの絵の具と混ぜてステイン剤になる。乾く前に布や
スポンジなどでふき取るとアンティーク剤としても使える。
ジョソー
ニャ
クリアグレイジング
メディウム
好みの絵の具と混ぜて使う。絵の具1:メディウム5程度

ステインの塗り方

ステイン剤を使用する時

サンディング→表面に筆で水分を湿らせる→ステイン剤を布にとってパレットで馴染ませてから塗る

クリアグレージングメディウムを使用する時

サンディング→絵具:メディウム=1:5をよく混ぜ合せる→大きめの筆で木目に沿って塗る

注意点

ステインをしたときにムラになったりすることもよくあります。いくつかの注意点をあげておきます。

  • ステイン剤を塗るときは、シーラーは塗らないこと。シーラーはステイン剤が乾いた後に塗る。
  • 素材をきれいにサンディングして粉をしっかりふき取っておくこと。
  • サンディングをしすぎて素材に傷を付けたりしないこと。
  • 素材の糊がはみ出した部分には、ステイン剤は乗らないので要注意。

対処法

ムラになった時はつぎの対処法を試してみてください。

  • 素材の糊がはみ出した部分には、乾いた後に同色の絵の具を塗ってカバーする。
  • クリアグレージングメディウムでステイン剤を作ってステインしたときは、乾いた後クリアグレージングメディウムだけを塗ってカバーすること。上に乗せた絵の具を拭き取りやすくなります。
  • ステインをする前に、素材の表面に水を含ませた状態でステインをする(極端なムラはおきにくい)
  • ステインをかける時は大きめの筆で、木目に沿って筆目が残らないように塗る。
  • サイドサンディングをしてやり直す。
  • ムラになったところが目立たないようにするため、最後にアンティーキングをする。
  • ムラになったところにスパッタリングをして目立たなくする。
  • ステインコントロールを塗ってからステイン剤をかける。

ニス

仕上げのニス塗りは、作品作りの最後の大切な作業です。時間をかけて描いた作品を最後のニス塗りで失敗したら立ち直れません。ニスの特性をよく理解し、ニス塗りの失敗がないようにしたいものです。

アクリル絵の具で描いた作品にかけるニスで、オイルで描いたニスには向かないものもあります。

ニスの種類と特徴

ニスの種類特徴商品
水性アクリルニス一般的な室内用ニス
塗膜が柔らかい
部屋に飾る作品に向いている
ニスを塗った上に絵の具を塗っても定着する
筆は水洗いできる
JWライトステップバーニッシュ
ファイナルコート
水性アクアニス
ソレッティ水性アクリルニス
With水性アクリルバーニッシュ
ホルベイントップコート
ディープトーン
クリアポーリングトップコート
水性ポリウレタンニスアクリルニスより塗膜が固い
家具などの実用的なものに向いている
ニスを塗った後は絵具は定着しない
筆は水洗いできる
ジョソーニャポリウレタンニス
JWエクステリアバーニッシュ
Withポリウレタンバーニッシュ
ターナートップコートクリア
ワシン水性ウレタンニス
油性ニス水性に比べると耐水性光沢に優れている
塗装時は換気に注意する必要がある
乾燥に時間がかかる
完璧な透明ではなくやや飴色の仕上がりになる
筆はペイント薄め液で洗う。水洗いできない
油性ウレタンニス
クリアペーストグレイズ
スプレーニス水性スプレーニスで、耐水性耐久性に富む
黄ばむことはない
アメリカーナスプレーニス
速乾性持続性のあるラッカー仕上げ剤
光沢、透明感があり黄ばみがない
トリプルシックグロス
紙・木・ガラス・金属・プラスチックなどに使える。
透明で耐久性に優れる
ペインターズスプレーマット
(艶消し)

ニスの塗り方

ニスをいくらきれいに塗っても下地がきれいでないときれいな仕上がりにはなりません。素材のサンディングから丁寧にきちんとして作品を仕上げることが大前提となります。

①作品を仕上げて数日置いてからニスをかける。ニスをかける時は湿度の高い日は避ける。

②刷毛にニスを取りすぎない。薄く何回もかけるようにする。重ねてニスをかける時は、ニスが完全に乾いてから次のニスをかけること。

商品別の特徴と注意点

ニスの商品には《マット》(艶なし)《サテン》(半ツヤ)《グロス》(艶アリ)と3種類あるものが多くあります。

これは最後の仕上げをどういう仕上げにしたいかを考えて自身で選ぶものです。とても素朴な作品なのにツヤツヤテカテカはあまり適してないようですし、どう仕上げたいかでニスも選んでくださいね。

ニスの商品によっては少し注意するものがありますので、以下にまとめておきます。

ファイナルコート

さらさらしたニスでとても塗りやすいものです。時に下地絵の具がはがれる場合があるので、ニスを塗る前に作品をしっかり乾燥させる必要があります。塗るときは筆より布やスポンジ、パットなどで塗った方がいいようです。筆ムラが残らず光沢仕上げになります。

水性アクアニス

食品衛生法に適合したニスなので、皿や箸、お子様のおもちゃなどにも使用可能。乾燥期間は1週間から10日取り、完全に乾いてから使用すること。常温使用のみの使用とすること。

クリアポーリングトップコート

透明なガラスのような塗膜を作るニス。1液タイプなので、そのままボトルから全体にいきわたるように伸ばして、平らな場所で乾かす。

ポリウレタンニス

泡立てないようによく攪拌して使用する(ごろごろ転がす)

JWエクステリアバーニッシュ

屋外用ニス。作品を紫外線や風から保護する。最低2度塗り以上重ねて塗ること。

JWライトステップバーニッシュ サテン

サテンはオイル作品に向いているニスです。泡が立たないように攪拌して使用しましょう。

まとめ

ステイン剤もニスも様々な種類があり、特徴も異なるものがたくさんです。

自分が使っている絵の具の種類は?どんな仕上げにしたい?どこで使う?どこに飾る? と自分に問いかけると目的に合ったステインやニスを選びやすいかと思います。

ニスは慌てず焦らずゆったりした気分で、さわやかな天気の時に、お気に入りの音楽でも聴きながらかけるのがいいかもしれませんね。

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