手頃な価格で手に入るジュートバッグに出会うことが多くなりました。
しかしながら粗い素材のジュート生地に何か描こうとしてもままなりません。
シルクスクリーンをして簡単に自分だけのオリジナルのジュートバッグを作るには?
ジュートバッグにシルクスリーンをする方法をご案内します。
準備するもの
毛羽立ちのある素材のジュート。
そこにシルクスクリーンを刷るには表面を滑らかにする必要があります。
使用するものは次の通りです。
- ①好みの色のアクリル絵の具
- ②シーラー(下地剤)
- ③養生テープ
- サンディングペーパー(#150#200)
- ペイントナイフ
- ドライヤー(強制的に乾かすとき)
- チャコペンもしくは鉛筆
- 定規
- シルクスクリーン
- シルクスクリーンメディウム
- スキージー

手順
では早速やってみましょう。
デザインの大きさと位置
まずは自分のやりたいデザインを決めます。デザインを決めたらデザイン(背景)の大きさを決めます。
素材に背景の大きさを配します。背景の大きさにした紙を置いてみるとイメージがわきやすいと思います。
位置を決めたら、背景(置いた紙の周り)のラインをチャコペンもしくは鉛筆で引いておきます。
紙は使わずに、最初から定規で計ってラインを引いてももちろん大丈夫です。

マスキング
引いたラインの周りを養生テープでしっかり囲みます。
空気が入らないようにしっかり貼り付けておくことが大事です。
ベースコート
シーラーと混ぜた絵の具で、ペイントナイフを使って塗ります。
粗目の生地の隙間を埋めるようにしっかり塗ります。
この作業は何度か重ねるので、1度で完成になりません。
しっかりドライヤーで乾かしてサンディングします。サンディングペーパーは#150で平らになるようにくるくる回しながらかけます。

再度シーラーと混ぜた絵の具を塗り乾かし、サンディングします。#150の後#200で表面が滑らかに平らにします。 凸凹がなくなるまでこれを繰り返します。
シルクスクリーンを刷る
ベースコートを乾かし、滑らかで平らにできたらいよいよシルクスクリーンです。
今回私は2つのシルクスクリーンを使ってデザインをしました。
上に乗せたいシルクスクリーンや絵がある場合は、写真のようにデザインを切り抜いて、下のシルクスクリーンを刷らないように準備しておきます。デザインはコピーしておいて。
スキージーを使ってシルクスクリーンを刷ります。(銀座ソレイユで発売)


上のデザインを除けてシルクスクリーンを刷ったところです。
もし除けるべきデザイン部分を刷ってしまったら、最初にベースコートした色(ここでは白っぽい色)でシルクスクリーンが見えなくなるまで塗れば大丈夫です。
この作業は、シルクスクリーンをはがした後、しっかり乾かしてから行います。

シルクスクリーンを剥いでみました。きれいにできました。
左の緑の養生テープの所が茶色くなっているのがわかるでしょうか?
このシルクスクリーンをもう少し右側に置いて刷ったらバックにこの色が付いてしまいます。このような恐れがある場合は、バックの方にマスキングテープを貼っておいてください。
同様に刷りたくないデザインの部分や、うっかり刷って汚しそうなときは、前もってマスキングテープを貼っておきます。
できるだけシルクスクリーンそのものに貼らないようにしましょう。
乾かした後、もう一つのシルクスクリーンを刷ります。ここでは薔薇のシルクスクリーンを刷りました。(ピコットで発売)

薔薇のシルクスクリーンは、薔薇のシェイドの色で刷りました。
薔薇の花は、ハイライトはベースの色を生かして、シェイドを2段階ほどトールペイントの技法で入れました。
葉っぱはベースコートをしてシェイドとハイライトを入れました。
薔薇のシルクスクリーンを花の色で刷ったことで、花が自然に仕上がり、葉のアクセントも自然に入ります。
ジュートバッグにシルクスクリーンを刷った作品が完成しました。
シルクスクリーンを失敗してしまったら?
余談ですが、もしこの作品で、薔薇の後ろの茶色のシルクスクリーンを失敗してしまったら、どうしましょう?
焦らなくて大丈夫です!
失敗したシルクスクリーンを覆い隠すように、ベースコート部分全体を茶色で塗ってしまいましょう。デザイン部分が隠れないようなら少し濃い目の絵の具もいいと思います。
失敗したシルクスクリーン模様が見えなくなったら、しっかり乾かして、今度は白っぽい絵の具でシルクスクリーンを刷りましょう。
逆転の発想でこれはこれで素敵な作品になると思います。過去、私自身そうした体験があります(笑)失敗は成功の基と言いますよね。終わり良ければ総て良しです!
シルクスクリーンの注意点
最後になりましたが、シルクスリーンをする時にいくつか気を付けた方がいいことを記しておきます。
まず、シルクスクリーンと混ぜて使う絵の具ですが、これは絵具を出す前にしっかり攪拌してアクリル樹脂が出てしまわないようにしておきます。また、絵具が少なくなって塊がたくさん出てくる絵の具は、メディウムと混ぜてもきれいに混ざらないので、できればそういう絵の具は避けたほうがいい思います。
メディウムと絵具を混ぜる作業はとても大事です。ぼそぼそした感じが残っているのはまだまだしっかり混ぜ合せる必要があります。つややかに滑らかになるまで、ペイントナイフでこねる。この作業がシルクスクリーンの出来を左右します。
ペイントナイフを引き上げた時、パレットを引き上げることなくスムーズに角が立つくらいが丁度いい硬さです。
ちょっとしたポイントを押さえておくと、シルクスクリーンも楽しい作業となりますね。楽しく楽に作品つくりしましょう!!



コメント