トールペイント 図案の転写について

トールペイント

図案をトレーシングペーパーに写した後、素材に転写しますね。ところがその転写の仕方次第で、絵の具をのせた時に転写の線が透けて見えたり、後で消そうと思っていたのに消えなかったり、うまくいかないことや思いがけない問題が起きますよね。

転写する時にスタイラスで何度も同じところをなぞって何重にも転写のラインを書いてしまったり、濃く写してしまって消えなくなったり、逆に図案が転写できなかったり、意外に図案の転写でトラブルことはよくあると思います。

私自身も作品を仕上げた後、転写のラインが消えずに困ったことが何度もあります。

老眼になって、転写を薄くすると見にくくて困るし、だからといって濃く転写すると後々消すのに困るし、こういう問題は多かれ少なかれほとんどの人がお持ちではないでしょうか。

ここでは転写の時に起こる問題を、できるだけ簡単に解決できるようにまとめてみました。

転写紙の種類と選び方

一言に転写紙と言ってもどんな種類があるのでしょう?使い方とか選び方とかあるのでしょうか?

転写紙の種類

転写紙には大きく分けると「水で消えるタイプ」と「水で消えないタイプ」があります。

「水で消えるタイプ」は「スーパーチャコペーパー」があります。

「水で消える」ので、湿度の高い時に転写して置いておくとさあ描こうと思ったら図案が消えていたりすることもあります。

「水で消えないタイプ」は、グラファイトペーパーがあります。こちらは、消しゴムで消せます。消しゴムは「ケシケシくん」がきれいに消せます。

「サーラル転写紙」は水でも消しゴムでも練り消しでも消えます。ラインがはっきり転写されるので見やすいです。ただ、これも2週間以上転写したままにしておくと消せなくなることもあります。

グラファイトペーパー(左)とサーラル転写紙(右)

転写紙の選び方

下絵を残したくない時は「水で消えるタイプ」のものを使うほうがいいようですが、長時間そのままにしておくとこちらも消えにくくなります。また、リターダーなどオイル成分のメディウムを使う場合は適しません。

「水で消えないタイプ」のものは、下絵が消えると困る時に使うと便利です。

転写紙を選ぶ時は、これから描くのにリターダーは使う?下絵が見えなくなると困る?をまず考えてみるといいですね。

転写紙の何色を使うか?ですが、白い花を描く時は白い色の転写紙を選ぶなど、作品のメインの色に近い色の転写紙を選ぶ方がいいですね。白い花を描くのに黒の転写紙では目立ちすぎますので黒を使う時はできるだけ薄く写しておくことが大事ですね。

転写の仕方

転写をする時に黒のペンで図案を写して、スタイラスでなぞって素材に転写するというのが王道ですね。ところが、どこをなぞったかわからなくなってしまうことはありませんか?

そういう時は、なぞる時にスタイラスではなくて赤ペンや青ペンなど色を変えてやるのもアリです。色を変えればどこを書いたかすぐにわかります。くれぐれも素材に溝ができないように力を入れずに転写してくださいね。

もうひとつ。素材に転写紙を置いて図案を乗せる方を見かけますが、やめたほうがいいです。図案の位置が転写紙で見えなくなりますよね。素材に図案をのせて2,3箇所マスキングテープでずれないように留めて、素材と図案の間に転写紙を入れるようにしましょう。

転写ができない時や転写紙がない時

素材によっては、どの転写紙を使っても転写のラインが見えないこともあるかと思います。

こんな時は、トレーシングペーパーの裏を2BやBの鉛筆で塗り、表から図案をなぞると転写ができます。転写のラインが見えない時の試す価値のある方法です。

ガラスに転写する時

下地剤を塗っていると、グラファイトペーパーやチャコペーパーで転写できると思いますが、透明ガラスの場合は、ガラスの内側に図案を貼り付けて(図案は写さずに)、その図案をなぞるように描いていくこともできます。見えにくい時は裏側から白い紙を当てると見えやすくなります。

曲面に転写する時

曲面の時に限らず、トレーシングペーパーを大きなサイズのまま転写するとずれたり、スムーズに作業ができなかったりします。大まかに素材のサイズに合わせて切っておいたり、曲面の時は、切れ込みを入れておくとカーブに沿って図案を置くことができます。

裁縫で、襟ぐりを塗ったりする時など切れ込みを入れますよね。それと同じ要領です。

転写ラインの消し方

水で消えるタイプのものは、水を含めたメリヤス布を転写ラインの上に置いてちょっと押さえつけると、ラインが消えます。筆に水を含ませてラインをなぞっても消えます。

水で消えないタイプのものは、ペイント薄め液を綿棒などに付けて置くようになぞると消えます。油絵の具の筆洗い液も使えます。

ただ、筆圧が強すぎて図案書きの溝に入り込んでいたり、単車ラインが2週間以上経っていると消えにくくなります。

転写のラインが濃すぎたかな?とか消えそうにないなとか思ったら、その時々で転写の線を薄くするなどの対応をしていくことがとても大事になります。

転写のラインを消すのに便利なペイント薄め液

転写のラインを消した時に、絵の具まで消えてしまったら、もう一度上から塗ってきれいにしましょう。ちょっとの手間が素敵な作品への近道です。

その他の転写グッズ

今まで転写の道具として転写紙について書いてきましたが、修正レベルの転写には、転写紙を使わずにチャコペンシルを使うと便利です。

最近はソーラインペンシルという細いラインが書けるペンシルが発売されています。私は白、ピンク、黒の3色が1本に入っているものを愛用しています。

これはチャコペンシルに比べるととても細いラインが引け、消しゴムで消えるのでとても便利です。転写紙を使うとどうしてもずれる時には、これで必要なラインを書いていきます。

チャコペンシルとソーラインペンシル

まとめ

  • 転写紙は用途に合わせてタイプと色を選ぶ
  • 水で消えるものも消えないものも、転写をして長く放置すると消えなくなる
  • 転写紙によって消せるものが違うので使う前に確認を。
  • 転写紙がない時や転写ができない時は鉛筆も使える
  • チャコペンシルで補助的作業を効率的に。

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