トールペイントの下地作りをする時、皆さんシーラーを塗りますよね。シーラーを塗った後、筆目が目立ったり、凸凹ができたりして悩んだことはありませんか?
シーラーはきれいに塗れたけど、絵の具で全体を塗ったらきれいに塗れなかったりしませんか?
長年たくさんの方の塗り方を見て、「シーラーを塗る」ことや「ベースを塗る」ことはあまり気にせず、これから描く絵のことばかりに気を取られる方が多いと感じます。
どうしたらきれいな下地作りができるか、できるだけわかりやすく述べていきますので、参考にしていただければと思います。ここでは白木に描く場合のことをまとめました。
下準備に必要なもの
白木に絵を描くまでの下準備から始めましょう。
サンディング
まずはサンディングです。
サンディングフォームやサンディングペーパーが必要です。
サンディングフォームは使っていると表面がぼろぼろになってしまうので、私はサンディングペーパーを巻き付けて使います。
木目に沿って全体をサンディングします。
表面がすべすべ(子供の頬くらい)になったらOKです。
サンディングがしっかりされていないと、木目の凸凹が残ったままになり、残念な作品になってしまいます。木目が荒い時は、番号の小さいサンディングペーパーを使うことをおすすめします。
白木をサンディングすると、木くず(木の粉)が結構出ます。
サンディングは外でしますが、ホコリが舞わないようにダンボールの箱を横に倒してその中でサンディングする方法もいいかと思います。
サンディングした白木をポンポン叩くと、おおまかな木の粉は落ちますが、タッククロスを使って粉をしっかり拭き取る方がきれいになります。ベタついた布が粉をしっかり吸収します。
タッククロスのベタつきは大事ですので、乾燥しないようにジッパーに入れて収納しておきます。決して洗わないでくださいね。茶色くなってもまだ使えてます。
下地剤
サンディングが終わったらシーラーを塗ります。シーラーは色んなメーカーから出ていて、オールパーパスシーラーとかマルチパーパスシーラーとかいろんな名前があります。
絵の具定着を良くするために使います。(ステインをする時は最初にシーラーは塗りません)
乳白色のシーラーは粘度があるので筆目が残りやすいものです。水で薄めたりして使う方も多いと思いますが、ジョソョーニャのフローメディウムを混ぜて使うと、成分を薄めることなく筆目も目立たなくなります。
使用する筆は、平刷毛や平筆の1インチくらいの大きい筆を使う方がいいです。たっぷりシーラーを含むことができて、一気に塗る方が筆目が目立たないからです。
塗り方
シーラーや下地の絵の具を塗る時に、よく左端から少しづつ筆を動かす方を見かけます。そうすると左端の素材の外には、シーラーや絵の具がはみだして垂れて、塗ったところには動かすたびにできる筆のラインがたくさん残ります。
シーラーや下地の絵の具を塗る時は、必ず木目に沿って、白木の端近くで素材の中心に筆を置いて、右に左に筆を動かしてシーラーを広げていくイメージで塗っていきます。
筆にはシーラーをたっぷり取って、筆は大きく動かします。右に左にシーラーを広げたら、乾く前に左から右に一気に(途中で筆を止めずに)動かして塗ると、筆目が残りません。(左利きの方は右から左ですね)
シーラーが乾いて、手のひらで素材表面をなぞるとサンディングした後のすべすべからザラザラな表面になっていると思います。
その時は、カレンダーの裏とか広告の裏などの白い紙を使って軽くサンディングします。サンディングペーパーなどを使うとシーラーを剥いでしまう恐れがあるので使いません。この時は木目にそらなくて、表面全体を軽くなぞるような感じで大丈夫です。すべすべになりますよね。
シーラーは1回ほどしか塗りませんが、下地の絵の具(バックグラウンド)は数回重ね塗りをして仕上げますよね。
絵の具を重ねて塗る時は、必ず乾かしてから重ねること。最初は絵の具をあまり薄めずに、最後になるほど少しづつ絵の具を薄めて塗ると早くきれいな仕上がりになります。
このときも、筆を大きく動かして、絵の具を広げるように塗ってから、端から端まで筆を止めずにならすことを忘れないようにしてくださいね。
まとめ
下地をきれいにするには
- 木目に沿ってサンディングをする。
- サンディング後の粉はきれいにタッククロスで拭き取る。
- シーラーは中心から左右に広げるように、大きな筆で大きく動かして塗る。
- シーラーが乾いたらきれいな紙で軽くサンディングする。
- 下地の絵の具(バックグラウンド)を塗る時はもシーラーを塗るときと同様に塗る。
- 重ね塗りをする時は乾いてから、重ねるたびに少しづつ薄めて塗る。
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